Research interests
By combining mechanical and genetic perturbations along with live imaging and Bayesian force-inference, we are addressing physical principles underlying regulation of epithelial morphogenesis.
個体発生では,組織が時空間的に精緻に制御された変形を繰り返すことで,生き物が形づくられます.このとき,細胞はおしくらまんじゅうのように互いに押し合いへしあいしながら,力を掛け合っています. 機械的な力が生化学シグナル伝達と統合されて生き物の種固有の精緻な形態が生みだす仕組みを解き明かすことは,21世紀の生物学の大きな挑戦の一つです.
この問いに対して,私たちは,計測技術開発,上皮組織形態形成,ソフトマター物理理論など,多岐にわたる領域で研究成果を挙げてきました. 代表的な業績として,第一に,上皮組織で働く力を画像データからベイズ推定する手法の開発が挙げられます. 力のベイズ推定法は,既存手法では不可能だった,力の非侵襲的な定量を可能にする強力な技術です. 代表的な業績の第二は,組織応力場による多細胞秩序形成の物理・分子メカニズムの解明です. 私たちは,組織応力場が個体発生の方向情報をコードし,細胞の六角格子化を促進することを発見しました. さらに,この過程で細胞の力感知と力抵抗を担うアクチン細胞骨格制御を解明しました. このように,生き物の形づくりの物理・化学統合的制御を階層横断的に明らかにすることを目指して研究に取り組んでいます.